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ホワイトメタルの調査ほわいとめたるのちょうさ

ホワイトメタルとは、何でしょうか。
自分の知っているホワイトメタルは、エンジンなどの軸受け部分に使用しているものです。

1.ホワイトメタルの検索

ホワイトメタルで検索すると、ホワイトメタル関係のページが多く存在して、どこにアタックすれば回答が貰えるか、考えてしまいました。どこのサイトでも回答してもらえるとは思いますが、詳細は実際に製作しているところでないと、解らないものです。関係のサイトをふらついていると、ホワイトメタルの流がわかりました。

サイトの種類は、ホワイトメタル製の人形販売、人形製作企業、ホワイトメタルの流通業者(商社でしょうか)、ホワイトメタル軸受け製造企業、ホワイトメタルのインゴット製造企業、などが有りました。

このサイトをホワイトメタルの流を整理すると、

ホワイトメタルのインゴット製造企業→ホワイトメタルの流通業者→人形製作企業→ホワイトメタル製の人形販売

ホワイトメタルのインゴット製造企業→ホワイトメタルの流通業者→ホワイトメタル軸受け製造企業→組立て企業

途中に商社や仲介が入るとは思いますが、この様になるようです。

今回の調査目的は、エンジンクランクシャフトの軸受けと、人形に使用しているホワイトメタルのです。

質問する分野を考えると、ホワイトメタルのインゴット製造企業とホワイトメタル軸受け製造企業にアタックする事にしました。アタックした結果が、2項以降の話です。

インゴット製造企業は歴史が長いようで、創業から60年とか80年と言う会社が多いです。軸受けがないと機械が動かないので、日本の製造業が始まる段階から重要な分野なのでしょう。特殊な分野なので、確かな技術があれば、これからも安定的に経営できると感じました。しかし、現在の景気状況では、厳しい部分も有ると思います。

さて、本題のホワイトメタルです。

2.ホワイトメタルの定義がわからなかった。

結局、定義はわかりませんでしたが、だいたいの感じがつかめました。

トロフィーとかのアンチモニー合金、人形のホワイトメタル、軸受けのホワイトメタル、それとハンダなど。

どこが違うのでしょうか?

トロフィーとかのアンチモニー合金:鉛とアンチモンの合金

人形のホワイトメタル:錫とアンチモンの合金、錫と鉛の合金

軸受けのホワイトメタル:錫とアンチモンと銅と鉛の合金

ハンダ:錫と鉛の合金

鉛、錫、アンチモン、銅などの合金で、混ぜ具合で材料特性が決まるようです。

3.軸受けのアンチモンの役割

軸受けのホワイトメタルは、JIS規格が有ります。

その規格表をみると、アンチモンの含有量で軸受けの用途が変わるように、感じました。

アンチモンの役割を質問すると。

「ホワイトメタル中でアンチモンと錫の化合物(β)を形成して、この化合物で潤滑膜を作ります」

自動車ガラスにシリコンコートすると雨粒が飛んでいくのと、逆の効果が有るようです。

成分表を見ていると、ハンダにアンチモンを適量加えると、成分的には軸受けのホワイトメタルが出来るようです。ただ、アンチモン単体をハンダに入れるのが、難しそうです。軸受けの役目をするかどうかは不明ですが。

4.軸受けのホワイトメタル入手と、製作は?

4から5kg程度の小さいインゴットで、分けて頂けるようです。支払いの問題は有りますが。

しかし、インゴットが有っても、軸受けの形にする必要があります。

軸受け製造企業の設備を見ると、遠心鋳造装置が掲載して有ります。

軸受けの鋳型を回転させて、溶けたホワイトメタルを流し込み、ドーナッツ上にするのでしょうか。

溶けた金属を回転する中に入れる事は、溶けた金属が飛び散る事を考えると恐いですね。

この対策が遠心鋳造装置にして有るのでしょう。近寄りたくないですね。

設備と根性の関係で、ホワイトメタルの製作は専門企業に依頼するのが無難と考えました。

そこで、自動車エンジンなどに使用しているメタルの、修理、製作の相談は出来るかどうか、問合わせました。

さすが専門企業です。「ホワイトメタル軸受けなら、修理と新規製作します」との回答です。

少量対応をして頂ける事だけでも、嬉しいです。

ほとんどの企業は、能率優先で、少量対応してもらえないので、技量の高さを感じました。

5.人形用のホワイトメタルは?

人形用のホワイトメタルは、どの成分の合金を使用すれば良いのだろうか。

まず、ホワイトメタル人形の作り方。

粘土などで人形を製作して、シリコンで型を取って、人形用のホワイトメタルを鋳込み、温度が下がれば出来上がりです。(剥離材を付けるとかの、細かい話はホワイトメタル人形のページを探してください。)

人形用のホワイトメタルは、錫とアンチモン合金、錫と鉛合金を使用されますが、

インゴット屋さんのお進めは、錫92%アンチモン8%がお進めだそうです。

6. ホワイトメタルの実作業(著者:又三郎)

 メタル鋳込み方法 
(ホワイトメタルの規格 JIS H 5401)

1.台金ごと古いメタルを取り外す

2.古いメタルを削り落とす、あるいは加熱除去する

3.動き止めのアリ溝あるいはキー溝を清掃し、半田メッキする
 半田メッキ時にフラックスを利用してもよいが、残留物を残さ
 無いように完全に清掃する

4.台金を合わせて、あいだにヒョウギをはさみ、仕切りとする
 あわせるときに、配管用のクランプなどで台金の全周を締め上げ
ること。 真中だけを押していると、メタルを入れた後で軸受けに
はまらなくなる。

5.小さければそのまま、大きいときには、中子を木で作り台金
 の中心に来るように針金で固定する

6.定番(焼いてもよいもの)の上に石膏ボードを敷き、定番ごと
 200度以下に暖める(湿気を絶対残さないため)。 半田が
 溶けるのが270度程度のため、それ以下にすること。 石綿の
マットが有れば一番いいんだけど、入手不能。

7.インゴットのバビットメタルを炉でよく溶かす。 バビットメタル
は古い呼び名かも知れない。 今はホワイトメタルと呼んでいるはず。
番手があって、

8.台金を石膏ボードのに立てる(流し込むため軸は垂直方向に)

9.ボードと台金のあいだに隙間がないようにふちをクランプで
  押し付けて固定する

10.台金も200度弱に加熱する

11.融解したメタルを経木の両側に均等に流し込む
   流すときの温度は400度以上(メタル材種によりますが
   大体400度以上500度以下が目安)

12.台金下部からエアーで冷却する。 完全に冷やしきると変形
  するので、漏れない程度にかたっまたら、後は自然冷却。

13.冷却が終わったメタルを水の中で割り良く洗い流す。

14.中子とヒョウギを除去し、ぴったり、台金が合わない時は
   あたっているメタルを鑢で除去して、必ず台金同士が密着
  するように調整する。

15.台金をぴったり合わせて固定し、旋盤で中グリ仕上げする
   その際の孔径はシャフトと同一にする(大きくてはいけない)
  軸受けが小さければ、軸受けにはめてから中グリ、もしくは
  据ええぐりで仕上げる。

16.出来た台金を軸受けに固定し、下側にのみ油溝と油たまりを
   彫刻刀で掘り込む、その際に返りが表面にはみ出さないように
   仕上げる。

17.軸とのあたりをベンガラか光明丹でとり、特に偏ったあたり
   部分は少しずつ削る。(ベンガラは硬く、メタル表面に潜る
ので使わないという流派もあった)

18.メタルは使用し始めると馴染むので、極端な凹凸以外はあまり
  気にする必要は無い。

19.慣らし運転は70%負荷程度で100時間。 点検し、下側の
  メタル磨耗を確認し、必要に応じて修正する。

20.2000時間毎の油交換と点検を行う。


補足

 メタルのクリアランスは、軸径の0.1%が標準といわれる
出来れば、メーカーから数値をもらっておくほうが安全。

 メタルそのものは、熱伝導のよろしくない金属なので、通常メタルの
厚みは1mmそこそこ。 もっと薄いものは鋳込みは不可能。 台金ごと
交換する。 エンジンの部品なんかは難しいでしょう。

クリアランスの確認には 有れば鉛の糸ヒューズをはさんで押しつ
ぶして図るが、無ければ細い糸半田でもよい。 糸半田は固いので
メタルに傷をつけないようにつぶしすぎないこと。

 中子を入れて鋳込むかどうかは好き嫌いもある。 中子の直径は
シャフトの直径より5mm程度細いほうが、やり直しが少なくすみ
らくでしょう。 相手が400度のメタルなので、表面は炭化するし
接しているところには巣が入ります。 それを削り落とせる程度が
よいでしょう。 とはいっても、50mm程度のシャフトなら、
そのまま鋳込んで、がりがり削り落としてしまうほうが手っ取り早い
とおもいます。

 ただ、絶対に間にはさむ経木のセパレータだけは忘れないこと。
後で割ればいいや と思っていると、台金に傷をつけたりして良い
結果は生みません。

 メタルがもったいない なんて言っていると、大体失敗します。
鋳込んだものの大半は削ってしまうのですから。 それが嫌なら
遠心しながら鋳込みを行うか・・・。

 間違っても、旋盤でなんて思って溶けたメタルを振りまくと
火事の元、やめておきましょう。

 たまに、スラスト方向のメタル軸受けもありますが、大体やり方
は似たような物です。 仕上げに旋盤を使うことになるので、どう
やって銜えて挽くか、それを必ず考えてから鋳込みをすることに
なります。

 乾燥と余熱、よび半田メッキ がきちんと出来ていれば、バビット
メタルの軸受けは馴染みが良く、高信頼性の塊みたいなものです。

 ちなみに、削ったメタルを再利用することはお勧めしません
もったいないと思いますが、再利用するときに切子が埋まっていたり
すると、悲劇的な結果になります。

 入手方法・・・ 貴店で多分とりよせてもらえるのでは
と思います。 インゴットで。 JISの4種 なんて言って購入
出来るかもしれません。

 バビットメタルでワイアの末端をソケット加工すること
が有るので、エレベータ屋さんとか、重機の整備をやるところが在庫
を持って居たりします。

 引っ張り試験機でもソケットとメタルを使用するつなぎで試験機と
ケーブルを固定するものがあるはず。
 締結時の強度効率は、ワイアの強度の100%と言われますので、ほぼ
完全な締結方法です。

 メンテナンス時に メタル表面に焦げたような跡があれば、それは
部分加熱されて油の成分が焦げ付いたもの。 焼けがひどくなると
運転中にメタルが溶けてしまう。 溶け始めると溶融したメタルを
巻き込んで回転してしまうので、周囲もごっそり持っていかれてしまい
最後は潤滑油が発火する。 焼けは部分的にメタルが台金から浮いて
いるか、あたりの取り方が不足しているから。

 あたりを取るのは軸中心から下側100度くらいの範囲で、この部分
が一番負担がかかります。

以上、又三郎様からお送り頂いた内容を掲載しました。
「なるほど」と言う内容です。皆さん参考にして、修理してください。



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